ノーベル賞:化学賞に下村氏 蛍光たんぱく質発見 他2氏と共同、日本人2日連続

スウェーデン王立科学アカデミーは8日、08年のノーベル化学賞を、米ウッズホール海洋生物学研究所の下村脩(おさむ)・元上席研究員(80)▽マーティン・チャルフィー米コロンビア大教授(61)▽ロジャー・チェン米カリフォルニア大サンディエゴ校教授(56)の3人に授与すると発表した。受賞理由は「緑色蛍光たんぱく質(GFP)の発見と開発」。下村氏はクラゲから取り出したGFPに紫外線を当てると緑色に輝くことを発見。他の2氏はGFPとその遺伝子を、生きた細胞の中で特定の遺伝子やたんぱく質の動きを追う「標識」として使う技術を開発した。GFPによる標識法は創薬や生命科学に不可欠な技術として普及し、その貢献度が評価された。

 7日に物理学賞の受賞が決まった3氏に続き、2日連続の日本人受賞で、受賞者は計16人になった。化学賞は02年の田中耕一・島津製作所フェロー以来6年ぶりで、福井謙一氏(故人)、白川英樹氏、野依良治氏、田中氏に続き5人目となる。

 下村氏は1960年、留学先の米プリンストン大で発光するオワンクラゲの研究を始めた。海水のカルシウムと反応して青く光るたんぱく質イクオリンを発見。62年にはイクオリンの光や紫外線を受けて緑色の光を出すGFPも見つけた。続けてたんぱく質の分離や精製にも成功した。

 90年代にGFPの遺伝子の特定と複製が実現すると、チャルフィー氏が別の生物の細胞にGFPを組み込み、発光に成功。チェン氏はその仕組みを解明しつつ、本来の緑色以外の色で光らせる技術を開発した。GFPの発見と標識技術の開発で特定の遺伝子とGFPを結びつけ、遺伝子が働いている場所や時間を簡単に特定できるようになり、生命科学の根幹技術となった。

 授賞式は12月10日にストックホルムで開かれ、賞金1000万スウェーデン・クローナ(約1億4000万円)は3氏に等分される。

 ◇「化学賞で驚き」
 【ウッズホール(米マサチューセッツ州)小倉孝保】下村脩氏は8日午前(日本時間9日未明)、米マサチューセッツ州のウッズホール海洋生物学研究所で記者会見し「ただ驚いている。(米東部時間の)午前5時に電話で連絡があったが、その時はまだ寝ていた。医学生理学賞をもらえるかもとは聞いていたが、化学賞は全く想像していなかった」と喜びを語った。

 下村氏は「自分は(旧長崎医大という)小さな地方の大学の出身だが、それでもノーベル賞を取ることはできる」と語った。さらに「学生時代は、学校は原爆で壊滅して諫早にあった飛行機関連施設を改造して研究所にしていた」と振り返った。

 「若い人の傾向として、困難に突き当たると安易な方向に向かいがちだが、自分が興味を持った課題を見つけたら、それをやりとげることが大切」とアドバイス。「日本の女の子は頑張っている子が多いが、男の子はちょっとよくないところがある」とも語った。

新井組が民再法の適用申請、負債総額450億円

新井組(1854.T: 株価, ニュース, レポート)は8日、同社と100%出資子会社の建創(兵庫県西宮市)が東京地方裁判所に民事再生法適用の申し立てを行い、受理されたと発表した。負債総額は両社合計で約450億円。不動産・建設業界を取り巻く環境が悪化し、資金繰りに行き詰った。

 同社は2002年12月に取引金融機関から債務免除を受けて経営再建を図ってきた。だが、官公庁工事の減少や構造計算書偽装問題などで建設業界の事業環境が厳しさを増す中、今年に入って取引先のマンションデベロッパーの倒産が相次いだことや、株価下落に伴う決済期間の短期化などにより資金繰りが悪化。2008年6月中間期で存続企業の前提に注記が付く事態となった。負債総額の内訳は、新井組が427億3700万円(6月末時点)、建創が22億3400万円(同)。

 記者会見した酒井松喜社長によると、主力取引銀行の三井住友銀行が1日、事業計画の未達などを理由に融資打ち切りを通告。10日に控えている支払いが不能になったという。三井住友に対する債務額は144億7800万円(平成20年9月末)。筆頭株主のNISグループ(8571.T: 株価, ニュース, レポート)にも資本支援の要請を行ったが、断られたという。

 NISは発行済み株式の37.34%を保有。NISの発表によると、連結ベースの簿価は約20億3000万円。そのほか、子会社を通じて8400万円の債権を保有しているという。

 酒井社長はスポンサーについて「NIS以外で見つけたい」と語った。

ノーベル物理学賞 日本の理論研究の底力だ

しばらく遠ざかっていたノーベル賞が一挙に日本に戻ってきた。

 京都大学名誉教授の益川敏英さん、高エネルギー加速器研究機構名誉教授の小林誠さんと米国籍でシカゴ大学名誉教授の南部陽一郎さんの3人に、今年のノーベル物理学賞が贈られることが決まった。

 6年前の小柴昌俊さん(物理学賞)と田中耕一さん(化学賞)のダブル受賞以来の朗報である。

 日本初の受賞者、湯川秀樹博士の生誕101年にあたる今年、日本の基礎科学の研究力が正当に評価されたことを喜びたい。

 益川さんと小林さんは、物質の根源を探る素粒子物理学の分野で大きな成果をあげた。あらゆる物質は基本粒子「クォーク」で構成されているが、2人が研究に取り組んでいた1970年代の初期には、何種類のクォークが存在するのかもわかっていなかった。

 2人は、物質と反物質の差を示す「CP対称性の破れ」という現象によって、われわれの宇宙が存在していることに注目し、対称性の破れが生じるためには、物質を構成するクォークには、少なくても6種類が必要であることを示したのだ。

 この「小林・益川理論」は、2人が京大理学部の助手であったときの共同研究だ。35年ほど前のことである。南部さんは、60年代に素粒子を扱う場の量子論で「対称性の破れ」という理論を提唱していた。

 今とは異なり、パソコンなどは存在しなかった時代の研究だ。

 まさに紙と鉛筆による研究で、現在の素粒子物理学の骨格をなす「標準理論」の一角を築き上げたのだから、その創造性は驚きに値する。巨額の研究費が投じられることが当たり前になりつつある今日の自然科学の在り方に一石を投じる受賞であろう。

 日本が輩出したノーベル賞受賞者は、これで計15人となった。自然科学では12人で、うち7人が物理学賞である。

 また2000年以降の日本人科学者のノーベル賞は、7人に達した。自然科学分野の若手研究者には、この快進撃を励みとして、ますます独創的な研究に取り組んでもらいたい。

 ただし、国が進める研究強化策では競争力を重視するあまり、若手研究者の身分が不安定になっている。当時のように研究に没頭できる環境も必要である。

受難「大型ミニバン」の行く末

「大型ミニバン受難の時代が到来した」(外資系証券アナリスト)――。昨今のガソリン価格高騰で、日本メーカーの売れ筋商品だった大型ミニバンの販売が芳しくないという。トヨタのアルファード、日産のエルグランドなど全長5メートル弱、車重約2トン、3リットルクラスのフルサイズモデルは、「乗車定員いっぱいになることがめったにない割に、大きくて燃費が悪い」(同)。となれば、諸物価高騰のおり、財布の紐が極端に固くなっている昨今の消費者に対する訴求力は弱い。
 アナリストや投資家たちが気にしているのは販売面だけではない。かつて米ビッグスリーのドル箱商品だった大型ピックアップに日本製大型ミニバンの姿を重ね、“二の舞い”を警戒しているのだ。ガソリン高や環境意識の高まりを受け、米国ではピックアップの需要が低迷。「販売不振が企業の存続問題に直結した経緯がある」(同)だけに、大型ミニバンへの注目度が高い、というわけだ。「CMでエコのイメージを植え付けようと躍起になっている割に、大型ミニバンを売っているのは経営理念としておかしい」として、トヨタなど各社を名指しで批判し始めた業界担当アナリストまで現れている。
 自動車はひとつのモデルを発売するまでに3、4年の準備期間を要する。「昨今のガソリン価格急騰という事態はミニバンの企画段階では予想外」(自動車メーカー開発担当者)という側面があり、市場関係者が抱く懸念をそのままぶつけるのは酷かもしれない。ただ、円高など幾多の逆境を乗り切ってきた日本メーカーがどう対処するのか、市場関係者の監視は厳しい。今後、各社の大型ミニバンの処遇が投資家たちのチェックポイントになるのは間違いない。

「液晶テレビ」関連株は調整必至

 モノの値段は需要と供給のバランスで決まる。本コラムではこの図式でさまざまな商品の「価格」を取り上げてきたが、今回は液晶パネル。「北京五輪まではメーカー各社の株価が安泰」というのがさまざまなメディアの論調だ。が、複数のネタ元から生々しい情報が入ったので報告する。
 業界筋によると、今年度の液晶パネル需給は「不足」が続き、特に北京五輪までは価格が崩れないというのが定説だった。ところが、「5月末から値段が弱含み始め、6月に入ってからは一段と下落している」(アナリスト)という。特に身近なテレビ用パネルは「完全に需給がクラッシュしている」(同)というのだ。
 その原因は、「32インチを中心に大増産したツケが回っている」(業界筋)こと。具体的には、昨年末から今年3月にかけ、五輪特需を見越してメーカー各社が大増産したものの、製品が出来上がった4―6月期に入るとサブプラ問題や世界的な景気の冷え込みで販売が低迷。
「需要をはるかに超えたパネルを作ってしまったことにメーカーが気付き始めた」(同)
 こうした状況に一層拍車をかけたのが、ソニー・サムスンの大幅値下げ。北米市場ではソニー連合の32インチテレビが600ドル台となり、他の低価格メーカー製品を駆逐しているという。ブランド力の強いメーカーが価格を下げたことで、2番手、3番手の他メーカーは販売減を見越して部材供給元への発注を減らしている。
 実際、ある大手部材メーカーの先月の売り上げは、前年同期比10%近い減少を記録。「液晶テレビ関連銘柄の株価は調整必至」(先のアナリスト)という構図が近く株式面をにぎわすことになりそう。“五輪神話”をうのみにするなかれ。

ゼネコンは2度死ぬ

 過日、地方のある大都市を私用で訪れる機会があった。この際、旧知の建築関係者から生々しい話を聞いた。「ゼネコンは2度死ぬよ」……。サブプラ問題に端を発した不動産市況の悪化が首都圏と同様、この地方都市周辺でも進んでいるのだ。
 私鉄やJR駅近くの大規模マンション開発計画が頓挫、資金繰りに窮する不動産開発業者(ディベロッパー)が急増中だという。現在、株式市場で複数のディベロッパーに関するきな臭い噂が渦巻いているが、これが全国規模で広がる気配を筆者は感じとった。が、問題はディベロッパーにとどまらない。先の関係者によれば、「マンション開発をアテにしていた中堅のゼネコン数社も資金繰りがタイトになっている」というのだ。
 今年4月から公共事業請負基準となる「経営審査事項」が大幅に改正され、地方の中堅中小ゼネコン各社は対応に四苦八苦していた。この改正は、「売上高重視」から「利益重視」へと従来の基準が百八十度変わったのだ。つまり、利益が出ていないゼネコンは、公共事業にありつけない仕組み。そこで、いくつかの会社は競って民間のマンション建設に生きる糧を見いだしていた、という構図だ。
 公共事業には参入できず、活路としていたマンションもダメとなれば、あとは深刻な状況が待ち受けている。現在、この関係者らが注目しているのは、「かつて民事再生法などで再建したいくつかのゼネコンが、“2回目の死”の瀬戸際にある」との観測が日々強まっていることだという。ここ数年、外資マネーを主導役に不動産市況は堅調に推移してきたが、その反動は大きくなりそうだ。

トヨタとホンダ、北米市場で明暗

 ガソリン価格高騰で沈む米国クルマ市場。日系メーカーの現地生産の状況も深刻になってきた。米国消費者の嗜好(しこう)に合わせ、大型ピックアップ生産を拡大させていたトヨタの傷が特に深い。同社は先に北米3工場の生産ラインを3カ月間休止し、減産すると発表した。米専門紙のデータによると、同社主力ピックアップの6月の販売台数は1万200台。一方、在庫は6万5000台に上り、市場では「ライン休止でもさばき切れない数値」(外資系運用会社)とみる向きが多い。
 売れ筋であるハイブリッド車「プリウス」は品薄が続き、「ユーザーの手元に届くのに2カ月待ちは当たり前」(同)。同社は製造ラインを変え、プリウスの現地生産に乗り出す構えだが、実際に製品が生まれるのは約2年先。「系列部品メーカーとの調整に手間取れば更に先になるリスクが大」(同)とされる。消費者の需要を的確に予想し、製造と在庫のバランスをとってきたトヨタだが、「致命的なミスマッチが米国市場で顕在化、株価にも相当なダメージが出そう」(外資系証券アナリスト)というわけだ。連日の年初来安値更新で16日には4580円まで売られた。
 好対照なのがホンダ。トヨタ同様、同社の大型ピックアップの在庫は少なくないが、「在庫絶対値の大きなトヨタに比べればケガの度合いは格段に小さい」(同)という。加えて、カナダの第2工場での製造を小型乗用車にシフトし、低燃費車を待ち望む同国ユーザーの手元にクルマが着実に届き始めているという。米国クルマ市場の動向を精査している投資家たちは、「トヨタ売り・ホンダ買いにポジションを変えている」(同)もようだ。
 ガソリン価格の高止まりが確実視される中、両社株価の明暗が今後より一層鮮明になるかもしれない。

米金融危機は「終わりの始まり」

 米住宅公社の経営危機表面化に続き、メリルリンチ、シティグループが相次いで四半期決算で数千億円規模の巨額損失を計上するなど、米国金融界は依然、危機的状況が続いている。本コラムでは、昨年から度々サブプラ問題が一層深刻化すると指摘してきたが、現状は「『終わりの始まり』にすぎない」(外資系証券アナリスト)。
 一昨年から米国の地価下落が顕在化してきたが、依然として土地価格はバブル前の水準に下がっておらず、「不動産価格の更なる下落が本格的に米金融機関の体力低下を促すのは必至」(同)だからだ。リスクの高いサブプラ関連商品だけでなく、破綻の瀬戸際に追い込まれた2つの住宅公社が扱う“プライム”商品でさえ例外ではなかったのがその証左。米国の金融システムの現状について、「金融システムという患者が死なないように“人工呼吸器”をつけたものの、本格的治療はこれから」(エコノミスト)と言えば分かりやすい。
 記者時代、日本の不良債権問題に深くかかわった筆者には、現状の米国の様子がかつての日本のそれとダブる。「米国の病気を完治させるには、もはや対症療法では無理。公的資金注入という外科手術が必要」(金融当局筋)との声もチラホラ出始めた。「金融機関の経営不安説が根強い国の株式は買えない」(欧州系運用会社)とのコメントはかつて何度も耳にした。株価下落が続く米国の現状には、この言葉がぴたりと符合する。
 大統領選挙を控え、納税者の反発必至の“公的救済”に米政府は及び腰だ。日本の不良債権処理に公的関与を強く迫った米国。今、彼らに同じ言葉をぶつけるタイミングなのかもしれない。

ガソリン高でシマノ銘柄“高”

自転車大国中国で五輪を契機にスポーツバイクの人気が高まり、バイクの部品シェア世界一のシマノにプラスとなる、という内容だ。同社株価は堅調に推移、年初から35%値上がりしている。そろそろ息切れかと意地悪な視点で取材を進めたところ、「まだ上がる」とバイク好きの機関投資家から興味深い話を聞いた。
 背景には昨今のガソリン高騰がある。読者のオフィスにも1人か2人、自動車をやめて自転車通勤を始めた同僚はいないだろうか? 筆者の周囲でも3、4人スポーツバイクを新規購入した友人がいる。家計のやりくりとメタボ対策のために、である。当然、主要パーツはシマノ製だ。全国規模でこのような現象は顕在化しているはず。同社の直近の四半期業績を見ても2割の増収を果たしている。エコブームが業績を押し上げたとみてよさそうだ。
 バイク好きの投資家によれば、同社にはまだプラスの材料があるという。同社は今秋のプロレーサー向けモデルから「電動シフター」を投入するというのだ。20段以上のギアを電動で変速させる新商品。「もともとバイク人気の高い欧州で人気を博すのは確実。来春以降一般向けに販売されるようになれば、売り上げ増を果たす」というヨミだ。
 先日開催された「ツール・ド・フランス」のレーサーたちが電動シフターを来季以降導入するとなると、波及効果は絶大だ。過日、ガソリンを満タンにした際、領収書の数値を見て筆者は驚愕した。クルマ取材からバイク取材に切り替えるべきか、本人も相当に迷い始めている。

「ソニーユナイテッド」に投資家ソッポ

「ソニーと投資家のギャップは当分埋まりそうもない」(外資系運用会社)……。
 過日、ソニーのアナリスト会合に出席した関係者がこう漏らした。
 会合にはハワード・ストリンガー会長が出席。同会長は経営理念である「ソニーユナイテッド」、つまり社内の縦割りを廃し、部門間のシナジー効果を上げようというスローガンの成果を披露した。具体的には、次世代DVD規格ブルーレイの勝利が「ユナイテッド」の成果として声高に強調された。
 ところが、運用や調査のプロたちは首をかしげることしきり。「当初から松下を陣営に取り込んだことが勝利の要因であり、ソニー独自の成果ではない」(別のアナリスト)と冷ややか。そもそもブルーレイのようなハードはコモディティー(日用品)化するピッチが速く、収益に貢献する期間がごくごく短くなっているのは明白。同会長らは営業利益率5%の達成、株主資本利益率(ROE)10%の目標をも提示したが、「当たり前すぎて話にならない。松下のように利益を出してから理念を語るべき」(同)との声まで出る始末。
 米系証券の著名アナリストが今後の利益の出し方に関して同会長に問い返した際、「『プレゼンの何を聞いていたのか』とハワードが声を荒らげる場面もあった」(同)ほど。同社株は年初から約30%下落。TOPIXの下げ10%強をはるかに上回る。
 同社を巡っては、子会社のソニーフィナンシャル上場に気を使っていたアナリストがリポートに手加減してきたフシがあるが、「今後は気を使うような上場案件がないため、態度を硬化させた向きが弱気一辺倒に傾く公算が大」(同)との声もある。投資家との間に生じた溝は、簡単には埋まりそうもない。

曲がり角の巨大モール

ガソリン高や諸物価高騰、あるいはサブプラ問題の余波で急速に冷え込んでいる日本の個人消費。イオンの第1四半期連結経常利益が前年同期比22.7%減となるなど巨大流通業も痛手を被った。こうした事態に機関投資家が懸念の声を向け始めた。
 ここ数年、流通大手各社は郊外地に広大な土地を取得し、競って巨大なショッピングモール建設に邁進(まいしん)してきたが、「モール戦略が逆回転を始めつつある」(外資系運用会社)からだ。首都圏や近隣県の郊外、あるいは高速道路のインター近くには、大手のモールがあるのはご存じの通り。だが、昨今のガソリン高騰で、「ロードサイド周辺の流通業は軒並み売り上げを急減させている」(同)。ジャスコやイトーヨーカ堂もご多分に漏れず、売り上げ動向は冴えない。
 が、運用のプロたちは別の観点に本当の危機感を抱いている。イオンやセブンは、巨大なモール造りを推進するため、傘下の不動産開発業者を用い、多くの収益を上げてきた。イオンであればイオンモールがその役割を担い、「テナントの賃料や管理料でイオン本体の収益を支えてきた」(アナリスト)のは間違いない。同時に大手はクレジット会社を傘下に持ち、モールで上がる売り上げの何割かを金利収入という形で享受してきた。昨今のガソリン高や物価高騰で客足が落ち始めると、「テナントの売り上げが落ち、管理料など各種収入が減少するほか、カード収入の落ち込みも必至」(同)という負の循環に陥るというわけだ。
「一部の巨大モールは顧客減が顕著で、ゴーストタウンに近い状態」(先の外資系運用会社)との声も上がっている。巨大モールの戦略は曲がり角に来ている。その動向からしばらく目が離せない。

麻生首相 六本木美人ママとの「カネ」と「仲」

政治資金で夜な夜な通い詰め…

 就任早々、国連総会演説のため、0泊3日の強行軍で米国に飛び立った麻生首相。外交デビューの前に清算すべき問題がある。自身の「オンナ」と「カネ」をめぐる疑惑だ。


 東京・六本木の飯倉交差点近くの雑居ビルにあるパブ「B」。麻生が首相就任直前まで、連日のように通い詰めていた店である。

「店のママは、2年前まで銀座の高級クラブを経営していました。芸能人や作家が常連の有名店でしたが、中でも足しげく通ったのが麻生氏で、ママとも親密な雰囲気でした。彼女が銀座の店を閉める前にBをオープンさせると、夜な夜な麻生氏は六本木にも繰り出すようになったのです」(政界関係者)

 政治資金を使ったカネの落とし方も、ハンパじゃない。

 麻生の資金団体「素淮会」の収支報告書には、Bと同住所でママが代表の会社に対する支出がズラリ。その額は05、06年に計645万円。今月公表された07年分の報告書にも会合費として計373万円を計上していた。全額、Bでの飲み代とみて間違いない。

 閉店前の銀座のクラブにも、04〜06年の3年間で計773万円も支払っており、締めて総額1790万円――。政治資金で銀座、六本木で飲みまくるとは、つくづく庶民感覚とズレた首相だが、ここまで麻生が入れあげるママとは何者なのか。

「すでに還暦を迎えたとは思えない美貌の持ち主。日銀OL時代に『2代目レナウン娘』に選ばれた後、銀座の有名クラブのホステスにスカウトされ、一流店を渡り歩いた。過去にはドリフの加藤茶との結婚説が週刊誌を賑わせたこともあります」(ママの知人)

 麻生と知り合ったのは、二十数年前のこと。84年にママが独立して前出のクラブを出店した時には「麻生がスポンサー」との噂も立ったという。

 現在住む千代田区内の“億ション”の所有者は、麻生への献金企業。社長は「麻生太郎 顧問」の名刺を持ち歩く、有力後援者のひとりである。

コンビニ“棚ぼた”タスポ特需を信じるな!

今回はここ数カ月、機関投資家が首をかしげている話をご紹介。景気減速が現実味を帯びる中、消費セクターはどこも株価が軟調だが、例外がある。それがコンビニだ。「月次売上高がプラスに転じた5月頃から、コンビニを持ち上げるリポートが急増した」(外資系運用会社)という。
 なぜ5月から売り上げが伸びたのか。答えはタスポ。タスポを嫌った愛煙家がコンビニの対面販売でたばこを購入した結果、「タスポ特需で売上高が伸びた」(同)という構図だ。最近では、コンビニで風邪薬や頭痛薬の販売が許可されることが決まり、アナリストリポートの“強気度”は増すばかり。売り上げ増、強気リポートとくれば、個人投資家は飛びつく。よって株価が堅調なのだ。
 ただ、運用のプロたちはリポートをうのみにするほど甘くない。「たばこ増税機運が高まり始めている。特需効果がいつまで続くか不透明」(国内系運用会社)との声があるほか、「深夜営業に対する規制が強まる公算が大。業界再編の機運が芽生え始めている時に、タスポ特需だけでは買えない」(別の国内系)との声も根強い。
 また、昨今の諸物価高騰の折である。「コンビニの定価販売戦略が大きな曲がり角にきている」(先の外資系)との懸念もある。〈インフレになるとコンビニの高価格という印象が薄れる=買いのタイミングは続く〉というお気軽リポートさえ出ている。コンビニは各社の出店ラッシュで収益性が落ちている。タスポ導入による“棚ぼた特需”は冷めた目線で見た方が賢明だ。

事故:ホームセンターに車突入…1人死亡9人重軽傷 福岡

28日午後4時半ごろ、福岡県古賀市舞の里3のホームセンター「グッデイ古賀千鳥店」で、近くの無職、伊藤貞生さん(74)運転の乗用車が店の正面出入り口から店内に突っ込んだ。車は店内にいた買い物客や従業員を次々にはね、70歳前後とみられる女性が死亡。幼児を含む男女9人が重軽傷を負った。県警粕屋署は、自動車運転過失致死傷の疑いで伊藤さんから事情を聴いている。

 粕屋署によると、負傷した9人のうち古賀市のパート女性(52)と男性会社員(58)が鎖骨骨折などで重傷。7人は軽傷という。

 同署の調べでは、伊藤さんは同店駐車場で、店に向かって前向きに車を止めようとした際、正面出入り口の自動ドアを突き破って進入。レジ台を押し倒して、入り口から約10メートル内側にある陳列台にぶつかって止まった。伊藤さんは同署の調べに「ブレーキとアクセルを踏み間違えた」と話したという。

 駆け付けた店長が「何てことをしてくれたんだ」と詰め寄ると、伊藤さんは「すいません」と何度も頭を下げて謝っていたという。

 店内は日曜日の買い物客でにぎわっており、一時騒然となった。救急車が次々に駆けつけ、負傷者を次々と近くの病院に搬送した。

 店は事故後、警察の実況見分のため、急きょ閉店。店長は「突然大きな音がして車が店内に突っ込んできた。悲鳴があちこちで上がり、ケガをされたお子さんが運ばれていった。大変なことになった」と驚いた様子で語った。

日本版サブプライムの予兆?

 米サブプライムローン問題が長期化し、着実に日本にも悪影響が及んでいるのはご存じの通り。海外からの投資マネーが枯渇し、中堅不動産ディベロッパー数社が破綻した。こうした動きとは別に、日本版サブプラ問題ともいえる現象が出ているのでご紹介。
 ある金融筋によると、最近一部大手銀が個人向け住宅ローン債権を専門業者、すなわち債権回収業者に売却し始めているという。バルクセールと呼ばれる売却手法で、数十億円程度の債権が売りに出されたもようだ。大半は、「景気が底入れした5、6年前に『相続税前倒しと低金利』をセールストークに積極販売されたローン」(金融筋)とされる。当時の新聞紙面では、〈住宅着工件数、バブル期超え〉との見出しが躍っていた。
 低金利と景気回復基調を背景に、団塊ジュニア世代が親の援助で積極購入した物件。が、実際にこれらが焦げ付き始めたというのがミソ。住宅取得には手数料や税金などさまざまな付帯費用がつきものだが、「安易に買った人の中には、購入当初から諸費用の捻出に苦慮する向きが少なくなかった」(同)。最近、業者に売りに出された債権はこうした案件が多いようだ。
 ただ、問題の根はここではない。団塊ジュニアは、「2%台後半の変動金利を選択した向きが大半」(銀行筋)。「市場金利がわずかでも上昇した途端、支払い困難者が激増する」(同)とされ、米国のサブプラ問題と同じようなリスクをはらんでいる。
 国内景気の足踏みが続く中、市場金利は当面上がりそうにないが、諸物価高騰など家計のやり繰りは厳しい時期で、延滞は増加傾向をたどるとみられる。
 日本版サブプラ問題が深刻化する下地は十分にある。

食品各社 中国産に見切り メラミン混入 生産体制見直し検討

有害物質メラミン混入の恐れがある中国製牛乳を使った食肉加工大手、丸大食品が菓子回収を発表してから27日で1週間。日本の食品メーカーが中国産原材料の調達を見直す動きが出てきた。メーカー各社は中国製冷凍ギョーザの中毒事件を機に検査体制を強化してきたが、消費者の中国産に対する不信がさらに高まるのは必至で、原材料購入にとどまらず、生産体制の見直しに発展する可能性もありそうだ。

 菓子大手の江崎グリコは、中国の子会社「上海グリコ」の原料調達先を変更した。同子会社はこれまでビスケット用の粉乳を現地で調達していたが、全量をオーストラリアとニュージーランド製に切り替えた。

 即席めん最大手の日清食品では、香港の現地法人がメラミン混入事故を起こした大手乳製品メーカー「伊利集団」から牛乳を仕入れていたことが判明。同現地法人は伊利との取引を打ち切ることを検討するとともに、牛乳や乳原料を順次、中国以外から調達していく方針だ。

 また、乳業大手の森永乳業は、中国ハルビンの合弁会社の検査体制を強化する。同合弁は現地で原料となる生乳を調達し、粉ミルクを生産している。原料にメラミンの混入がなく安全であることを確保できたが、安全確保を含めた品質管理をいっそう徹底するのが狙い。このため日本から検査技術者を現地に派遣した。上海でカフェラテなど乳原料の飲料8品目を現地向けに生産しているビール大手のサントリーも、従来対象となっていなかったメラミンの検査を国内も含めて検討する。

 ただ、原材料価格が高騰していることもあって、価格が安い中国製の食材を排除することは難しいのが実態。実際、冷凍ギョーザ事件で中国での生産縮小を決めたのは、問題のギョーザを扱った日本たばこ産業(JT)のみ。食品メーカーの間では「農産物の大半は中国に頼っている。これを止めると量の確保が難しく、ほかに代替できる国もない」との声が多い。

 「想定外のものが入ってくることも想定して検査を行う」(日清食品)としているが、今後、メラミン混入問題が追い打ちとなって、中国産原材料の比率を低減させていくメーカーが増える可能性は高い。中国で生産する日本の食品メーカーは、日本国内の生産比率を高めるといった抜本的な対策に迫られることにもなりそうだ。

トヨタに変調?コスト削減徹底の裏側

「トヨタが相当に苦しんでいる。変調と言ってもいい」(系列部品メーカー)――。トヨタを巡っては、北米の大型ピックアップやSUVの減産が伝えられ、足元の収益が落ち込んだばかり。日本だけでなく、米国でも高級車ブランド「レクサス」の苦戦が伝えられているのはご存じの通りだ。
 成功に甘んじることなく、常に危機意識を持つのは同社長年の伝統として知られ、かつては休み時間中の消灯徹底などが有名だった。最近はカラーコピーの削減や、一枚のA4用紙に4ページ分の印刷を施すなど、社員一人一人のコスト管理を一段と強めているとされる。
 こうした「コストカット」は過去に何度もあった話なのだが、「最近は自動車メーカーのキモである設備投資まで遅らせる傾向が強まっている」(前出のメーカー)という話が出てきたのだ。例えば、自動車製造ラインに欠かせない最新鋭の溶接ロボット。
「トヨタが購入に慎重姿勢を示していたのを尻目に、ホンダが今年中の大量導入を決めた」(アナリスト)とされる。こうした情報が系列企業やアナリストに伝わるにつれ、“トヨタ変調説”がまことしやかに浮上してきた、というわけだ。
 同社の最近の動向について株式市場からは「コピーの削減や設備投資抑制に躍起になるよりも、結果が出ないF1から撤退すべき時期にある」(外資系運用会社)との厳しい声も出始めている。ガソリン高や若者のクルマ離れに歯止めがかからない中、「小型車から超高級車まで手がける“フルラインメーカー”特有の苦悩がにじみ出ている」(前出の運用会社)とも言える。北米での減産、各種のコストカット。巨人トヨタがどう変わるのか。今後、株式市場の注目度が上がっていくのは間違いない。

「リーマン」アウト「AIG」救済、の理由

 米国の金融危機深刻化で老舗のリーマン・ブラザーズ(LB)が経営破綻し、世界中の市場が激震に見舞われた。直後、保険最大手AIGが死の瀬戸際に追い込まれたが、米FRBによる9兆円規模の緊急融資が決定し、救済された。なぜLBが見放され、AIGは残ったのか。本来、保険会社は中央銀行とは直接つながっていないのに、である。
 ここ数週間、米当局と緊密に連携してきた日本の金融当局幹部の言葉を借りれば、「AIG破綻はあまりにも影響が大き過ぎ、米国は救済せざるを得なかった」というのが真相だ。影響度には2つの側面がある。ひとつ目は同社が世界中で生保・損保事業を手がけているため、「個人向け市場で大混乱が生じ、これが金融システム全体を揺るがす恐れがあった」(同当局幹部)。
 2つ目は、AIGが世界中の「リスク」の最終的な受け皿になっている点だ。現役記者時代、筆者はさまざまなデリバティブ取引の契約書に目を通す機会を得たが、多数の契約書にはAIG傘下の専門子会社の名が記されていたことを鮮明に記憶している。AIGは保険会社のスキルを生かし、ここ数年こうした金融取引専門の保証、いわば「金融保険」的な業務に注力、収益を上げてきた側面がある。
 銀行・証券界で高リスク商品が多数生み出された背後には、こうした保証という存在があったのだ。万が一、リスクの受け皿が破綻していたならば、「巨額の金融取引が無保険状態に陥り、未知数の大混乱が世界中に伝播(でんぱ)する恐れさえあった」(別の当局者)。
 現在、米国政府は経営難の金融機関を切り捨てるか支援するかの線引きを明確にしていない。しかし、その中身を点検するとこうした事情が透けてくる。

王貞治監督の人柄

勇退を決意したソフトバンクの王貞治監督(68)とは、どんな人物なのか、同僚のベテラン運動記者に聞いてみた。「王さんは」と言いかけて、いつのまにか独り言になった。「そういえば、呼び捨てにしないのは、王さんとミスターぐらいだな」。

 ▼記者の仲間内では、野球選手にかぎらず取材相手のことを、親しみもこめて、敬称を付けないで話題にすることがある。王監督とミスターこと、長嶋茂雄元巨人監督の2人は、例外だというのだ。

 ▼現役時代は、プロ野球記録の通算868本塁打を放ったスーパースターだった。指揮官としても、2度の日本一に加え、2006年の第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、世界一にも輝いている。さん付けは、その偉業に対する敬意の意味もあるが、それ以上に監督の人柄によるところが大きいという。

 ▼新人記者にもちっとも偉ぶらない。名刺を交換すると、次は名前で呼びかける。「王さんは、名刺を受け取ると必ず、日付とその人の特徴を書き込んでいた。いま私がそれを見習っている」とくだんの記者はいう。記者を大切にするのは、ファンとの懸け橋と位置づけているからだ。

 ▼現役時代、スランプに陥ったときに、サインを求められても、嫌な顔ひとつ見せたことがなかった。そんな監督でも、ぐちをこぼしたことがある。国民栄誉賞をもらってから、もうばかなことはできなくなった、と。

 ▼確かに、人格者のイメージは、監督にとって、かえって迷惑だったのかもしれない。若いころは、銀座で豪遊した武勇伝もある。ユニホームを脱ぐことで、少なくとも「神様」と祭り上げる人たちから離れて、人間・王貞治にもどることができそうだ。本当にお疲れ様でした。


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<大相撲秋場所>朝青龍が休場 高砂親方は来場所休場も示唆

横綱・朝青龍(27)=高砂部屋=が大相撲秋場所10日目の23日から休場した。名古屋場所途中休場の原因となった左ひじ痛が悪化し、「左ひじ内側側副靱帯(じんたい)損傷で全治3週間」と診断された。

 昨年名古屋場所後のサッカー騒動で2場所連続出場停止処分を受けたが、けがなどによる2場所連続休場は初めて。出場停止を含めて初土俵から通算6回目の休場。23日の豪栄道戦は不戦敗となった。

 朝青龍は9日目に安馬に敗れたあと、「腕が全然動かない」と不調の原因を語り、師匠の高砂親方(元大関・朝潮)は「悪いのはひじだけではない。モンゴル巡業を終えて緊張が解けたのもあるだろう」と話した。九州場所については「今は目指してやっていくとしか言えない。先が見える状態ではない」と、来場所も休場させる可能性を示唆した。

 武蔵川理事長は「衰えたようには見えない。けいこして自信を取り戻してほしい」と語り、左ひじ治療についても「いい態勢を師匠と相談すること。モンゴルでの治療もダメとは言えないだろう」と話した。今後については「優勝できる体調にして出るのなら2、3場所休むこともあるだろう。(進退を)かけて出るのだから」と長期休場にも柔軟な姿勢だったが、休場明け場所は進退がかかる考えを示した。

 秋場所後は秋巡業などを控えるが、高砂親方は「歩けない状態ではないから」と参加させるという。

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