受難「大型ミニバン」の行く末

「大型ミニバン受難の時代が到来した」(外資系証券アナリスト)――。昨今のガソリン価格高騰で、日本メーカーの売れ筋商品だった大型ミニバンの販売が芳しくないという。トヨタのアルファード、日産のエルグランドなど全長5メートル弱、車重約2トン、3リットルクラスのフルサイズモデルは、「乗車定員いっぱいになることがめったにない割に、大きくて燃費が悪い」(同)。となれば、諸物価高騰のおり、財布の紐が極端に固くなっている昨今の消費者に対する訴求力は弱い。
 アナリストや投資家たちが気にしているのは販売面だけではない。かつて米ビッグスリーのドル箱商品だった大型ピックアップに日本製大型ミニバンの姿を重ね、“二の舞い”を警戒しているのだ。ガソリン高や環境意識の高まりを受け、米国ではピックアップの需要が低迷。「販売不振が企業の存続問題に直結した経緯がある」(同)だけに、大型ミニバンへの注目度が高い、というわけだ。「CMでエコのイメージを植え付けようと躍起になっている割に、大型ミニバンを売っているのは経営理念としておかしい」として、トヨタなど各社を名指しで批判し始めた業界担当アナリストまで現れている。
 自動車はひとつのモデルを発売するまでに3、4年の準備期間を要する。「昨今のガソリン価格急騰という事態はミニバンの企画段階では予想外」(自動車メーカー開発担当者)という側面があり、市場関係者が抱く懸念をそのままぶつけるのは酷かもしれない。ただ、円高など幾多の逆境を乗り切ってきた日本メーカーがどう対処するのか、市場関係者の監視は厳しい。今後、各社の大型ミニバンの処遇が投資家たちのチェックポイントになるのは間違いない。

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。