米金融危機は「終わりの始まり」

 米住宅公社の経営危機表面化に続き、メリルリンチ、シティグループが相次いで四半期決算で数千億円規模の巨額損失を計上するなど、米国金融界は依然、危機的状況が続いている。本コラムでは、昨年から度々サブプラ問題が一層深刻化すると指摘してきたが、現状は「『終わりの始まり』にすぎない」(外資系証券アナリスト)。
 一昨年から米国の地価下落が顕在化してきたが、依然として土地価格はバブル前の水準に下がっておらず、「不動産価格の更なる下落が本格的に米金融機関の体力低下を促すのは必至」(同)だからだ。リスクの高いサブプラ関連商品だけでなく、破綻の瀬戸際に追い込まれた2つの住宅公社が扱う“プライム”商品でさえ例外ではなかったのがその証左。米国の金融システムの現状について、「金融システムという患者が死なないように“人工呼吸器”をつけたものの、本格的治療はこれから」(エコノミスト)と言えば分かりやすい。
 記者時代、日本の不良債権問題に深くかかわった筆者には、現状の米国の様子がかつての日本のそれとダブる。「米国の病気を完治させるには、もはや対症療法では無理。公的資金注入という外科手術が必要」(金融当局筋)との声もチラホラ出始めた。「金融機関の経営不安説が根強い国の株式は買えない」(欧州系運用会社)とのコメントはかつて何度も耳にした。株価下落が続く米国の現状には、この言葉がぴたりと符合する。
 大統領選挙を控え、納税者の反発必至の“公的救済”に米政府は及び腰だ。日本の不良債権処理に公的関与を強く迫った米国。今、彼らに同じ言葉をぶつけるタイミングなのかもしれない。

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