曲がり角の巨大モール

ガソリン高や諸物価高騰、あるいはサブプラ問題の余波で急速に冷え込んでいる日本の個人消費。イオンの第1四半期連結経常利益が前年同期比22.7%減となるなど巨大流通業も痛手を被った。こうした事態に機関投資家が懸念の声を向け始めた。
 ここ数年、流通大手各社は郊外地に広大な土地を取得し、競って巨大なショッピングモール建設に邁進(まいしん)してきたが、「モール戦略が逆回転を始めつつある」(外資系運用会社)からだ。首都圏や近隣県の郊外、あるいは高速道路のインター近くには、大手のモールがあるのはご存じの通り。だが、昨今のガソリン高騰で、「ロードサイド周辺の流通業は軒並み売り上げを急減させている」(同)。ジャスコやイトーヨーカ堂もご多分に漏れず、売り上げ動向は冴えない。
 が、運用のプロたちは別の観点に本当の危機感を抱いている。イオンやセブンは、巨大なモール造りを推進するため、傘下の不動産開発業者を用い、多くの収益を上げてきた。イオンであればイオンモールがその役割を担い、「テナントの賃料や管理料でイオン本体の収益を支えてきた」(アナリスト)のは間違いない。同時に大手はクレジット会社を傘下に持ち、モールで上がる売り上げの何割かを金利収入という形で享受してきた。昨今のガソリン高や物価高騰で客足が落ち始めると、「テナントの売り上げが落ち、管理料など各種収入が減少するほか、カード収入の落ち込みも必至」(同)という負の循環に陥るというわけだ。
「一部の巨大モールは顧客減が顕著で、ゴーストタウンに近い状態」(先の外資系運用会社)との声も上がっている。巨大モールの戦略は曲がり角に来ている。その動向からしばらく目が離せない。

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。