ノーベル賞:化学賞に下村氏 蛍光たんぱく質発見 他2氏と共同、日本人2日連続

スウェーデン王立科学アカデミーは8日、08年のノーベル化学賞を、米ウッズホール海洋生物学研究所の下村脩(おさむ)・元上席研究員(80)▽マーティン・チャルフィー米コロンビア大教授(61)▽ロジャー・チェン米カリフォルニア大サンディエゴ校教授(56)の3人に授与すると発表した。受賞理由は「緑色蛍光たんぱく質(GFP)の発見と開発」。下村氏はクラゲから取り出したGFPに紫外線を当てると緑色に輝くことを発見。他の2氏はGFPとその遺伝子を、生きた細胞の中で特定の遺伝子やたんぱく質の動きを追う「標識」として使う技術を開発した。GFPによる標識法は創薬や生命科学に不可欠な技術として普及し、その貢献度が評価された。

 7日に物理学賞の受賞が決まった3氏に続き、2日連続の日本人受賞で、受賞者は計16人になった。化学賞は02年の田中耕一・島津製作所フェロー以来6年ぶりで、福井謙一氏(故人)、白川英樹氏、野依良治氏、田中氏に続き5人目となる。

 下村氏は1960年、留学先の米プリンストン大で発光するオワンクラゲの研究を始めた。海水のカルシウムと反応して青く光るたんぱく質イクオリンを発見。62年にはイクオリンの光や紫外線を受けて緑色の光を出すGFPも見つけた。続けてたんぱく質の分離や精製にも成功した。

 90年代にGFPの遺伝子の特定と複製が実現すると、チャルフィー氏が別の生物の細胞にGFPを組み込み、発光に成功。チェン氏はその仕組みを解明しつつ、本来の緑色以外の色で光らせる技術を開発した。GFPの発見と標識技術の開発で特定の遺伝子とGFPを結びつけ、遺伝子が働いている場所や時間を簡単に特定できるようになり、生命科学の根幹技術となった。

 授賞式は12月10日にストックホルムで開かれ、賞金1000万スウェーデン・クローナ(約1億4000万円)は3氏に等分される。

 ◇「化学賞で驚き」
 【ウッズホール(米マサチューセッツ州)小倉孝保】下村脩氏は8日午前(日本時間9日未明)、米マサチューセッツ州のウッズホール海洋生物学研究所で記者会見し「ただ驚いている。(米東部時間の)午前5時に電話で連絡があったが、その時はまだ寝ていた。医学生理学賞をもらえるかもとは聞いていたが、化学賞は全く想像していなかった」と喜びを語った。

 下村氏は「自分は(旧長崎医大という)小さな地方の大学の出身だが、それでもノーベル賞を取ることはできる」と語った。さらに「学生時代は、学校は原爆で壊滅して諫早にあった飛行機関連施設を改造して研究所にしていた」と振り返った。

 「若い人の傾向として、困難に突き当たると安易な方向に向かいがちだが、自分が興味を持った課題を見つけたら、それをやりとげることが大切」とアドバイス。「日本の女の子は頑張っている子が多いが、男の子はちょっとよくないところがある」とも語った。

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